ウズベク人先生が雇えない問題

Noriko学級は「自学自習」の学校ですが、ただ、全く先生が要らないかというとそういうわけではありません。生徒の自主的な学習を促すためには、ちゃんと責任があり、ファシリテーションができる大人がクラスに必要なのです。自学自習、という言葉は「放置でOK」という意味ではありません。なんのルールや指導も無ければ、効率の良い学びは生まれないのです(まれに、100人に1人くらい、何も言わなくても自分で学ぶ子もいますが、そういう子はそもそも学校がなくても学ぶので、やはりこの学校には先生が必要なのです)。
また今のNoriko学級が抱えている問題として、「日本語の上手な先輩が全然いない」というのもあります。コロナの影響で、生徒が途絶えてしまったので先輩が育っていないのです。9割以上の生徒は初心者、日本語レベルで言うとN5以下なので、母語であるウズベク語でのフォローが必要なことも多々あります。
そこで、ウズベク人の先生を雇おうと、先日ガニシェルさんが元Noriko学級の生徒で、今は先生ができるレベルのウズベク人の人を連れてきました。さすが元生徒、学校に対する思い入れは強く、とてもやる気があったのですが… 研修1日だけ来て、辞めてしまいました。理由は、「もっと良い給料のところから声が掛かった」からだそうです。引き抜き先は、なんでも日本への技能実習の送り出し企業だそうです…
Noriko学級は無償で教育を提供する、有志ボランティアの協力だけで成り立っている学校なので、企業が張り合ってきたら、勝ち目はありません… この先生はウズベク人の先生だから、とそれでもきちんと給料を支払って来てもらおうという話だったのですが、でもそれでもきちんとした額を提示できなかったために、「元生徒が母校で教え、学校への想いを繋げていく」という大きなチャンスを失ってしまいました。
いくらなら十分に満足して、継続的に働いてくれるのか?このあたりのエリアの適正価格を考えれば、月600~800ドルくらいでしょうか。
Noriko学級で職員を増やすことができれば、現地の雇用創出にもつながります。なんとか、僕がいる間に、まともに先生が雇えるような体制を作りたいところです。