男は「俺は別に自分の外見に興味はない」と、ファッションに無頓着な人も多いけど、子育て社会に身を置くならそんなことも言ってられないかもしれません。
日経DUALの小島慶子さんの記事
小島慶子 そこのパパ、女と同じ轍を踏まないで! | 小島慶子のDUALな本音 | 日経DUAL
先ほどこんな記事を読みまして。
ざっとまとめると、
- イクメンは雑誌のイメージに振り回されてオシャレパパを目指すな
- オシャレパパの道はかつてママが通った、自分を縛る茨の道。同じ道を進むことはない。ファッションなんて気にしなくっていい
- むしろ男性にはそういう人の視線を気にする育児社会の文化を壊してほしい
内容は、その通りだと思います。
子育てにファッション性なんて要らないですよね。
子育てが始まったばかりの時って、まだ生活パターンの価値観が独身時代のものを引きずっていますから、オシャレの優先順位が下がっていないケースは多いと思います。僕も第一子の子育て期を思い出すと、気持ちもわかります。
育児はファッションじゃないし、そこに疑問は全くないのです。記事の言わんとしているところはわかります。
でも、前からこのファッションについての重要性っていろいろ思うところがありまして、僕も記事を書くことにしました。
じゃあ世の中の、積極的に育児に関わる男性は全くファッションに関心を示さなくてもいいのか、というと、そんな単純な話でもない現実があったりします。
よれたTシャツは着てもいいのか
記事には、
近所の商店街で、髪を散らかし、よれたTシャツを着て、キャラクターだらけの服を着た娘の手を引いて疲れた顔で歩いていたっていいのだよ。
と、太字で強調されています。
本当に、その通りだと思います。
でも、これはあくまでも「男性育児に理解がある人」の意見なんですよね。
主夫として長年育児をやっていると、いろんな価値観に出会います。AERAや日経DUALを読んでるようなWLB意識の高い人もいれば、逆にびっくりするくらい男女の役割分業にこだわる人もいます。男女共に。
男女共に、なんです。
男性だけじゃなく、女性も、です。
今の日本の育児社会は、完全に女社会です。
それに対しておかしいと疑問を持っている女性もいれば、良しとして受け入れている女性もいます。
後者の人たちからすると、育児社会における男性の存在は「異分子」なんですよね。だから、見る目が厳しい。相当厳しい。
不審者=男性?
ネットでは「声かけ事案」のことがちょくちょく話題になりますよね。
「さよならと言ったら声掛け事案だというのか?」警視庁“不審者情報メール炎上事件”の顛末
最近ではこのケースが「公園で『さようなら』と声をかけただけで不審者扱いされるのか」と話題になりました。
文面だけでは本当のところ、どの程度不審者っぽかったのかわかりませんが、世の保護者は不審者に対して非常に敏感です。
他人のことであれば、「大げさだよ」で終わるかもしれませんが、ちょっと想像してみてください。
もしも自分の子が平日昼間に公園で遊んでいて、そこに髪を散らかして、よれよれのTシャツを着た知らないおじさんが声をかけていたらどうでしょうか?
不審者という言葉が頭をよぎらないでしょうか?
そうとは限らない、という回答なら嬉しいのですが、残念ながら、世の中には一定数、こういう人を即不審者認定する人たちがいます。不審者を「怖い人」ではなく、「怖い”おじさん”」と形容する人たちがいます。
公園に行くファッション
僕は小学生の娘が2人いますので、よく娘の友達と一緒に公園で遊びます。遊び相手は、ほとんどの場合女の子です。公園には、もちろん僕を知らない子供やお母さんたちもたくさんきます。
なので、やはり身なりには気をつけています。
普段着は必ず襟付きのシャツを着てます。ビジネスカジュアルでもいける長袖シャツの腕をまくるか、ポロシャツを着ます。
Tシャツだけ、という格好はほとんどしません。Tシャツは劣化しやすいので、ちょっと気を抜くとすぐにみすぼらしく見えてしまうので。
下はジーンズかチノパンで、ジャージやスポーツ用の短パンみたいなのは着ません。
サンダルも極力履きません。夏場の暑い時は、数千円する、ある程度きちんとしたものを履くようにしています。
スニーカーもだらしなく見えがちなので、動きやすい革製のカジュアル靴をよく選んでます。
高級感は必要ないですが、清潔感は必須だと思うので、襟や袖の黒ずみなんかは毎回しっかり洗濯で落としますし、ある程度古くなったら捨てて新しいのを買うようにしています(清潔感出すには新しい服を買っちゃうのが一番手っ取り早いんですよね)。
他にもヘアスタイルや髭剃り、口臭、顔のテカリ…… まあ当たり前ですけど、気をつけています。
まあこんな程度、ファッションというか身だしなみレベルなので、本気でファッションにこだわっている人からすればちゃんちゃら可笑しいのでしょうけど、予算的、手間的にもこれが限界ラインです。
自分が通報されるという可能性
今の時代は、疑わしきは通報せよ、です。
児童虐待のことなどありますし、これは僕も同意です。なにかが起こってしまってからでは遅いですから。
しかし、自分が通報されるのはめちゃくちゃ怖いんですよね。
ちょっと小汚い格好して小学生女子と遊んでて、
偏見が強めな女性がそんな僕を見て、
「なにあの人、なんか気持ち悪い!通報しよ!」
なんて最悪じゃないですか。
パッと見の印象で人って判断しちゃいますからね。
正直、こんな多くのことをいちいち気にしながら子育てしてるの、本当に面倒くさいっていうか本当それどころじゃないんですけど、女社会の育児社会においては男性は超マイノリティなので、普通に居るだけで目立つんですよ。
ママ友から冗談交じりに「オンナは細かいトコロもチェックしてるからねー」なんて言われたりしますが、こっちは笑えないです笑
そもそも顔見知りなら不審者にはならないので、僕もできるだけ町の自治会やPTA、父母会活動に参加してるわけですが、それでも限界がありますからね…
合わせるのも大事
イクメンは確かにわざわざオシャレして青山の高級雑貨店に子連れで行く必要はないです。
ただ、近所をよれよれTシャツで歩いていいか、というと、それもオススメはしません。
育児は一人でやるものではなく、コミュニティの中で皆でやるもの。そしてそのコミュニティとは、男よりもファッションに関心が高い女性たちでほとんど構成されているところなのです。
男同士だったら楽なのになあ、とか思いますけどね笑 でも、そんなことを言っていても仕方ありません。
現実問題、育児現場のマジョリティは女性なので、女性の価値観に合わせる、女性から受け入れられやすいよう意識するという発想も、そのコミュニティでうまくやっていくためには必要だと思っています。