一部上場企業を辞めて、専業主夫をガチで10年間やってみた結果

(記事提供、掲載メディア:『スマダン』) 
一部上場企業を辞めて、専業主夫をガチで10年間やってみた結果

専業主夫をやり続けて、今は幸せ?

専業“主夫”」という言葉は、一昔前に比べてずいぶん見かけるようになりました。

かつてフジテレビが2004年に専業主夫がテーマのドラマ『アットホーム・ダッド』を放送し、それをきっかけに「男性も主夫として生きてもいいんだ」という認識が日本社会に少しずつ広まっていったように思います。

ただ個人的には、その広がりは予想よりもだいぶゆっくりしたものでした。未だに男は働くもの、女は家で家事・子育てをするもの」という固定観念は家族、職場、地域などのコミュニティに色濃く残っています。

なぜ男が家事・子育てをするという役割が広がらないのか? その理由のひとつに「あまりにも前例が少なすぎて男女ともにそういう役割分担を選ぶのが不安」というのがあるのではないか考えるに至りました。

そこで、専業主夫をガチで10年やった男が、10年の歳月が経った今どうなったのか?についてお話します。あくまでも一人の例に過ぎませんが、参考になれば嬉しいです。

主夫になった理由は、体調不良と子育て

よく聞かれるのが、「どうして主夫になったの?」という質問。それはそうですよね、日本社会では一般的に男性が主夫になることはかなりレアなケースです。

実は僕自身、当初は主夫になりたくてなったわけではありません。主夫になった理由は大きく2つ、体調不良子育てです。当時の僕は会社で仕事上で非常に強いストレスを感じていて、一時は休職せざるを得ないほど体調を崩していました。

仕事を続けるのが不安だった頃に、子供が2人立て続けにできて、子育ての手が必要になりました。さらに言えば僕よりも妻の方が年収が高かったため、どちらが仕事を辞めて子育てをやるか、となると僕がやる方が合理的だったのです。もちろん当初はいろいろ悩みました……。特に僕にとって一番大きな問題は、「仕事復帰ができるのか?」ということでした。

主夫にまつわる「稼ぐ」話

主夫になると二度とお金が稼げなくなる?

これは男性に限ったことではなく、女性でも「主夫・主婦になると社会復帰が難しい」と言う人がいます。

この場合、具体的には“労働”社会への復帰という意味なのでしょうが、確かに一度職を離れるとそのキャリアが途絶えてしまうことはあります。

ただ、それで稼げなくなるのかというと、主夫を10年もやって、10年間考え続けて、仕事に復帰した立場から言わせてもらえば、全くそんなことはないです。

僕は今月収が約30万円あります。自営業と会社員をやっていて合わせた額ですし、ボーナスは今のところないので年収にしたら300万ちょっとではありますが、“兼業”主夫業の傍ら、このくらいは稼いでいます。

もちろん、専業主夫の頃は0円でした。主夫を初めて数年後から漫画の仕事をやっていますが、その当時はほんのお小遣い程度の額でした。主夫が本業でしたので仕事量を増やすこともなく、細々と続けていました。

元のキャリアに戻ろうとするな

多くの人が心配するのは、「主夫・主婦になったら、果たして“元のキャリアに戻れるのだろうか”」ということ。かく言う僕も主夫になる直前は同じように考えていました。

ここで考えてみてほしいのは、元のキャリアに戻る必要ってあるのか?ということです。元に戻る、という発想がある限り「シュフ業」はあくまでも「こしかけ」に過ぎない行為になります。

また、元に戻る前提だとシュフをやっている期間は前のキャリアの「ブランク」という認識になるので劣等感を覚えがちになります。それはそうですよね、ずっと継続してやっている人の方が能力が高くなるのは当然ですから。

僕としてはせっかく「シュフ」という素晴らしい職業を始めたのだから、それを存分に楽しんだ方がいいと思いますし、「いずれあの仕事に戻るから、ブランクは歯を食いしばってでもいずれ取り戻す!」なんて過ごすよりも「シュフ業が終わったら次はどんな新しい仕事に就こう!?」と考えて過ごした方が前向きなのではないかと思います。

漫画も仮想通貨も全く知らなかった

僕は主夫になる前はエンタメ系企業の人事部で教育担当をしていました。10年経った今、漫画家をやりながら、仮想通貨業界の企業でマーケティング担当をしています。

10年前の僕からすれば、漫画家になるというのは意味がわからないでしょうし、また当時存在しなかった「仮想通貨」が何なのかも理解ができないでしょう。

元々絵の才能があったのか、というと全くそんなことはありません。絵の仕事なんて一度もしたことはなかったですし、漫画部や漫画サークルにすらいませんでした。仮想通貨も同様、2年前までは「ビットコイン」という単語すら知りませんでした。毎日毎日少しずつ練習して、勉強して、やっとここまできました。

変化しない方がリスクが大きい時代に

一昔前は転職は“悪”で、ひとつの会社で一生勤め上げることが“善”とされてきました。今は転職は当たり前の時代になりましたよね。そして、これからの時代は複数の職業、「複業」が当たり前になると言われていて、僕はまさにそんな働き方をしています。

主夫になってせっかく入社した会社を辞めたらその先が見えない、将来になれるかわからない、そんな風に思う方もいるでしょう。一度主夫になれば、たとえば子供がある程度大きくなる10~15年間くらいは主夫を続けるというかもしれません。

しかし、結局のところそんな未来に自分がどうなっているかなんて、主夫をやっていようがやっていまいが、誰にも予想できないのです。どうせわからないことなら考える時間が無駄なので、毎日の目の前にいる人を全力でサポートすることに注力した方が合理的です。

「自分はこういう職業の人だから」と20代の頃に決めたことを頑なに守り続けているよりも、時代の変化や状況に合わせてどんどん環境を変えていける人の方がもしかしたら“安定的”な人なのかもしれませんよ!?

組織から個人へ

主夫になっても、今は昔よりも簡単に“社会復帰”できます。インターネットの普及により、自営業も楽に始められるようになりました。職業の選択肢は幅広く、働き方の流動化はどんどん進んでいます。もちろん、その分待っているだけの受身の姿勢ではなにも得られなくもなりましたが、自分で動こうという思いさえあれば道は開けます!

まとめ

  • 主夫になったからといって一生稼げなくなることはない
  • 「働き方」のイメージをアップデートして、柔軟になろう
  • 変化をする方が“安定的”な生活が送れる