我が子のためのイギリス式カリキュラム研究メモ

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イギリス系インターナショナルスクールに通っていると、必ずやるテスト、「IGCSE」。噂には聞いていたものの、自分自身が受けた経験がなく、右も左もわからない状態です。

この記事では、2人のインターに通う娘を持つ父親がTwitterやウェブで調べたIGCSEの概要、そして効率的な学び方をどんどん書き込んでいきます。新しい情報を知り次第、随時リライトしていきます。

はじめに

目標:”効率的”に学ぶ

親のやり方は古い。親は自分のやり方を否定するところから始める

コロナの影響で娘たちの学習方法に日本のe-learningサービス「スタディサプリ」を取り入れたが、これになかなか感銘を受けた。ビデオ教材を使いながらうまく子供を誘導すると、親が子供のフォローをしやすい。日本の学校が一年かけて学ぶ社会と国語の単位を数ヶ月で終わらせることができた。

この経験以来e-learningの効率の良さに気づき、「自分が教科書とリアル教室でやってた時代とは情報処理のスピードが変わったんだなあ」と意識が変わった。

勉強方法は、かつて親がやってきた手法と今とでは大きく違う。考えてみれば当たり前のことで、30年前にはインターネットがなかったし、PCもなかった。勉強ツールだけでなく、学習方法自体も多くの研究がなされ、「いかに短時間で効率的に学習するか」ということが重視されるようになった。

「親がやってきたやり方はもう古い」という前提で、1から考え直し、まず学習を始める前に、学習方法自体を見直した。

「車輪の再発明」はしない

また今回気をつけていることとして「車輪の再発明はしない」、という方針で進めている。

こういった学習教材なんて、そのカリキュラムで学んでいる人は全員同じことをやっているのだから、親がほしいと思ったことは大体の場合誰かがすでに作っている。今はインターネットがあり、世界中の優秀な教材が簡単に手に入る。できるだけ”有りもの”を組み合わせて効率良く学習プランを作っていく。

良いものはもちろん有料だが、調べている限りそんなに高額なものはない。教育で一番高額なのはやはり人件費なので、教材だけなら数千円で手に入るものがほとんど。人が便利なものをすでに作ってくれているのだから、そこはケチらずにどんどん活用していく。

効率的学習のリサーチ

効果の高い学習方法として多く挙げられているのが「テスト効果」と「アクティブ・リコール(間隔反復)」。逆に推奨されないのが「読み直し」「ハイライト」。まだ試行錯誤段階だが、こういった情報を考慮しながら学習プランを立てていく。

超効率的!最適な学習量と間隔で反復学習効果を最大にするライトナー法とは?

記憶の定着に効果絶大な、 Active Recall/Retrieval 法とは?

メンタリストDaiGoもすすめる「科学的に正しい勉強法」5選。復習スパンの黄金比率は “1:5” だった!

How to study for exams – Evidence-based revision tips

効率的な学習をしたい人必見!科学的におすすめしたい勉強方法の総まとめ

まとめると、現在僕が調べている範囲で最も効率的と言われている学習は「アクティブ・ラーニング」。それは「想起」と「間隔反復学習」という2種類からなる。これを実現するために適しているのがアクティブ・ラーニング。これを実際にどうやっていくのか、という方法論に落とし込む際には考え方に段階があるので、それを箇条書きにする。

【アニメで】メンタリストDaiGo「超効率的勉強法」を世界一わかりやすく要約してみた①【本要約】

  • アクティブ・ラーニング
    • 想起
      • テスト・クイズ化
      • 分散学習
    • 最言語化
      • ティーチング

家庭学習のプロセス

上記のアクティブ・ラーニングの手法を家庭学習にどうやって取り入れればいいんだろう?と考え、今のところ以下のようなプランを立てた。現在うちの子は小学生~中学生でまだ勉強を1人で完結させるのが難しく、親の協力が必須。

親の負担がどうしてもまだまだ発生してしまうが、一度効率的な学習の手法自体を見に付けば、親が離れても続けられるはず。高校生くらいになれば学習プランの作成自体も1人でできるようになるだろう。

親の準備

  • 学校で教育している範囲の教科書を読みこむ
    • これは親自身が子供の進捗内容を把握するため。ざっくりとでも、子供がなんの勉強をやっているのかわからなければ、フォローができない。
  • 学習内容に適したYoutube動画を探し、リストにする
    • 教科書の内容に沿った内容のYoutube動画のリストを探す。選択のポイントは
      • 内容が難しすぎない – 例えば7年生の内容で9年生でやるような単語が入っていると「難しい、嫌い」という印象を持たれてしまう
      • 動きがたくさんあるか – 学習系動画は文字やトークの説明ばかりで動きが少ないものが多い。あまりにも文字だけ、トークだけだと動画として普通に面白くなくて、気持ちが離れてしまう。数学などだと仕方ないが、科学系はできるだけビジュアルイメージがある方が良い。

子供の学習

  • 教科書を読ませる
    • 1ページ、1セクションくらいのボリューム。まずは教科書を音読させる。ここでは「こんな内容をやるんだ」くらいに受け取ってくれればOK。
  • Youtube動画を見せる
    • 教科書、通常一回読んだくらいでは理解できない。そこで次は文字内容を具体的なイメージに変換するため、とっつきやすい動画を使う。音やビジュアルがあると直感的に理解できることが多い。ここも、全体像をざっくり掴む、程度の理解度でOK。
  • 教科書・問題集の問題をやらせる
    • ある程度理解ができたところで、教科書や問題集の問題を解いていく。教科書の問題は基礎的で難易度が低いものが多いので、まずはここから始める。
    • 問題を作らせる
    • 教科書の1ユニットが一通り終了したら、「自分自身に対して出す問題」を作らせる。
  • edplaceの問題を解く
    • イギリスのナショナル・カリキュラムに沿った内容で作られているedplaceの問題集を解く。
  • Ankiに入力する
    • 間隔反復学習ができるアプリ「Anki」に、先程作った「自分向け問題」、そしてedplaceで誤答した問題を入力する。
    • ただ単語の意味を淡々と覚えるだけではなく、「Fill in the blank」形式にして、文章のコンテクストの中で覚えたり、画像や音声も一緒に入力してセットで覚えたりするのが良い(参考にした動画)。
  • Ankiアプリで毎日復習
    • Ankiアプリを毎日開く時間を作り、その時間にAnkiに表示された問題を解いていく。こうすることで学んだ内容が、学期末・年度末のテストまでずっと定着する。
    • 分散学習用アプリAnkiで間隔反復しながら問題を解いていく、ということは「テスト化」「分散学習」を同時にできる、ということになるはず。
  • テーマを決めてプレゼンテーション
    • 一日の勉強時間の最後に、その日に習った学習の中で一つテーマを決めて、親に向けて3~5分程度のプレゼンテーションをする。ここで「ティーチング」の手法を取り入れる。
    • ただしゃべるだけだと気持ちがダレるので、スマホで動画撮影する。発表を撮影し記録しておくことで、後ほどその動画を見直した時に自分の成長が実感できる。

情報収集の方法

活用している主な情報源:

  • Twitter
  • リアル友人
  • Youtube
  • 個人ブログ
  • 教育系ウェブサイト

教材

教科書

IGCSEのメジャーな出版社は

  1. Oxford Publication
  2. Hodder’s Education(Cambridge)

の2つ。イグザムボードがCambridgeであるなら、IGCSE for Cambridgeと記載のあるものなら、カバーしている内容に差はない。購入の際は、試験範囲の改訂などもあるので、新しいeditionを選ぶ。

  • Oxford University Press
    • コロナの影響で、Oxfordが無料で教科書の内容を公開してくれている(2020年9月末まで)。
  • STUVERA
    • オンラインで教科書のPDFがダウンロードできる(著作権的には怪しい…)
  • Cambridge Online Mathematics
    • Cambridge University Pressが作成するオンライン教材。紙の本を購入すると、一年間の使用権がついてくる場合もある。今はコロナの影響もあり、無料で90日間の使用権がもらえる。

E-learning教材

現時点での、有用性順に並べています。調べきれていないので、適宜順位は変わる可能性があります。

edplace

edplace

現在試験的に導入している「edplace」。GCSEなどイギリスの勉強に特化した形の学びサイト。有料。ビデオコンテンツはないが、インタラクティブなサイトで問題が解ける。UIは洗練されていてわかりやすい。

問題集が大量にあり、それぞれのコースで70%以上取ると次のコースを自動的にオススメされる、という仕組み。なので学習者はとにかく「あなたの次のタスクはこれです」と振られた単元を淡々とやっていくだけで良い。

内容の説明が文章中心で簡素。学校の補助教材として使うなら向いているが、1からこれだけで学ぶのはかなり情報不足。問題集としての機能がメイン。

現段階でわかっていないのが、Checkpointという僕が使っている教科書の内容と、edplaceの内容にズレがあること。教えている内容が違う、というわけでなく、ペースが違う。教科書ではKS3でやることをedplaceではKS2でやっていたりする。どちらもナショナル・カリキュラム(日本でいう教育指導要領のようなもの)をベースに作成しているはずなのでこのようなズレがあるのがよくわからない。とりあえずの対策としては、学年ベースで考えずに内容ベースで子供に出題するようにしている。

Seneca

Seneca

インタラクティブなブラウザベースの教材。有料コースと無料コースがある。無料コースだけでもかなりの量がある。無料問題集として使ってもいい。

イギリスカリキュラム向けに作られていて、「KS3」というジャンルで選べる。教科書的なインプットは絵と文字だけで音声や動画がない。これだけで学ぶのは少し難しい。Tutor(家庭教師)と併用して利用することを勧められる。

Tassomai

Tassomai

イギリスのカリキュラムに準拠したWeb教材。オンラインで問題集を解いていく。回答率に併せて出題内容が変わる仕組みとなっている。

GCSEだけではなく、年齢が低い学生向けのプログラムもある。Youtube動画も提供している。

Khan Academy

Khan Academy

【試した】定番中の定番。すべて無料で受けられる、学びのサイト。ビデオコンテンツで勉強した後にブラウザでそのまま入力できるインタラクティブな問題を解いていく。

進捗も記録できるようになっているし、その結果が親にメールで共有される。ポイントを貯めていくというちょっとしたゲーミフィケーション要素もある。

イギリスのカリキュラムベースで作られていないので、Key Stageごとに学ぶ、という形で進めることはできない。また科学に関しては小学校・中学校など学年で内容が分かれていないので、使いづらい。

動画教材は、無料なら十分すぎるクオリティではあるものの、全体的にシンプルで面白くない。理解がある程度ある子向き。まったく理解が無い段階では、飽きっぽい子供の興味を持続させるには、Youtubeから探した方が効率的。

Brilliant

Brilliant

【試した】数学、科学、プログラミングを学べるサイト。有料。ピクトグラムを多用してとっつきやすいデザイン。ちょっと触ってみたが、数学は問題をどんどん解いていく形で活用しやすそうだが、科学に関しては説明が簡素でこれ単体では理解しづらい印象。

Scienceに関しては項目が少ないだけでなく、ジャンル分け自体が教科書ベースで体系立てられていないので、学年の通りに学びたい場合には不向き。

ここが提供しているYoutubeチャンネルはクオリティが高い。

  • Cloudlearn
    • オンライン学習サイト。ここの「Online GCSE Courses」にメジャーな科目が揃っている。
  • Udemy IGCSE Course
    • Udemyの中の「IGCSEコース」にいろいろな科目がある。有料。
  • Education Brothers
    • ライブ配信でオンライン授業を受けることができる。
  • Get My Grades
    • ブラウザ上で学ぶことができ、学びの進捗度をトラッキングできる。

模擬テスト

  • TES
    • 模擬テスト、Worksheetなどを無料、有料でダウンロードできる
  • SATs Papers
    • 学年ごとの過去問、入学試験の過去問などがダウンロードできる。

動画

  • BBC Bitesize
    • BBCが作成している教育ビデオコンテンツが見られる。全教科を網羅しており、ビデオに合わせてテキストでの説明もある。動画の質は非常に高く、さすがというしかない。イギリス以外からアクセスすると視聴できないので、視聴するにはVPNなどを使用する必要あり。
  • BBC Teach
    • Key Stage 3 ~ 4の内容をカバーする教育動画が無料公開されている。
  • IGCSE Science courses
    • 化学、物理、生物のビデオコースがある。

Youtubeチャンネル

IGCSE(GCSEを含む)の動画はYoutubeに膨大にあり、多すぎてどれを見ていいのか迷う程。今や動画のビデオコンテンツは無料で手に入る時代になりました。しかし実際に使ってみるとわかりますが、重要なのはそのコンテンツが体系立ててまとまっているかどうか、ということ。一つひとつの内容がよくても、単元の一部しか説明されていなかたりすると、また別の動画探しに時間を費やすことになります。ここではできるだけある程度まとまった動画提供があるYoutubeチャンネルを紹介します。

補助教材

  • Anki
  • SuperMemo
    • アクティブ・リコールという手法で効率的に記憶するためのツール。有料、月額9.9ドル。
  • Quizlet
    • これも暗記補助ツール。UIは洗練されていて便利だが、間隔反復記憶の機能がないのが残念。全部の機能を使うには、毎月3ドル程度の月額サブスクリプションが必要。

リンク集

大学入試

IGCSEの次にあるのはA-level、もしくは大学。まだ方向性は決まっていないが、今の学習の先にあるのは大学の学部選択。IGCSEで選択した内容が大学の学部選びに影響することもあるので、大学の研究も平行して行うことにする。

シンガポール国立大学関連

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