日本の椅子取りゲームに外国人が参入してるのを見てる

2021.11.24
今、うち妻の会社は「日本語が話せる外国人」を超積極採用してる。
社長は日本語ベラベラで奥さんが日本人のアメリカ人なんだけど、今までいろいろ採用した結果、
「日本人は超優秀だけどコミュニケーションコストが高くて難しい。完璧な日本語までは求めないし、そこそこ優秀ならOKだから、コミュコストが低い人が良い」
とのことで。
 
つまりこれって今まで日本人が雇われてるはずだった雇用枠に外国人が入ってるってこと、しかも高度人材枠で。年収は日本人の平均年収の2倍弱くらい。仕事はリモートが当たり前になったから日本に住んでる必要もない、つまりビザ的にも問題無い。リモートでできる仕事、ってことは、日本にすら住んでなくても(多少法人や税制の問題をクリアすれば)日本企業の仕事ができるってこと。
こういう様子を側でみていると、バブルから今までは日本人は東南アジアでは完全な強キャラだったけど、この先はわからないな…と改めて思う。
日本でも、上司がタイ人、高級寿司屋に行くのはシンガポール人、銀座を歩くのはインドネシア人で、婚活市場でモテるのが中国人、なんてなるかもしれない。
 
ちなみに、よくこういうこと書くと「誇張しすぎ!○○国のGDPは〜平均年収は〜教育水準は〜」という勘違いリプがくるけど、当然だけど"全員じゃない"。すぐに国を「全体」で捉えようとする、日本人が陥りやすい罠。
日本自体が格差の少ない社会なので(これでもそうなのです)、「日本という国はこういう形だから、きっと海外の国もこういう形をしている」という感覚で海外を見ると、つい○○国の"国民全員"がそう、となりがちだけど、そうではない。実際教育を受けて富裕層になるのは一部であって、貧困層の人が一定数いるのは変わらない。
 
日本の労働市場でも、工場で最低賃金レベルで働くタイ人もいれば、有名IT企業で働く高度人材タイ人もいる、という状態になると思う。
象徴的だな、と思ったのが、最近お近づきになった家族。僕の周りにヨーロッパ系の旦那さん、フィリピン人の奥さんの家族がいるのだけど、その家にやはりフィリピン人のメイドさんがいる(メイドはフィリピン人が多い)。
奥さんは富裕層なので高級車を何台も所有し、僕からみてもすごい裕福な生活してるのだけど、一方でメイドさんは、当然だけどメイドランクの生活。メイド部屋という、常夏の国でエアコンも付いていない、シングルベッドがギリギリ置けるような小さい部屋に住み、Tシャツに短パンを着て生活をしている。そこまで大きな生活水準の差がありつつも、奥さんは同じフィリピン人だからメイドさんとはタガログ語で話す。
 
日本人でここまで格差がある状況ってあまり見かけないけど、実際もしも日本人同士がこうだったら…と思うと結構違和感あるのではないか。ある日本人の奥さんは世帯年収4000万円の知識層・富裕層で、その家で働くメイドも日本人の奥さんで、世帯年収500万…みたいな。
日本人だとなかなか想像するのが難しいけど、少なくともフィリピン人の人たちにとっては、もうマウンティングするとかそういうレベルじゃない、圧倒的な立場の差があって、それをお互いが受け入れてる、という現実がそこにある。
 
同じ日本人でも、生まれ育ちが全く異なるので、日本語という言語を使っても表面的なことはやりとりできるけど、文化的な部分は分かり合えない、という未来が結構近くまで来てるのかもしれない。あと1世代、30年後くらいにはそうなってるかも、なんて予想してる。