ICO
ICOとは
ICOとは、Initial(最初の) Coin(コイン) Offering(売り物)の略で、「仮想通貨を使った資金調達」、といった意味で使われます。
株式のIPO(Initial Public Offering)、新規公開株に似ています。IPOは株式を発行し、投資家から資金を調達しますが、ICOの場合はコイン(トークン)を発行することになります。
両者とも、
・不特定多数の出資者から資金調達ができる
・上場することで企業やプロジェクトを宣伝することができる
・企業やプロジェクトを応援できる
・より多くの出資者が集まれば、価値も上がり、含み益が狙える
といった特徴は共通しています。
ただ、株式の場合は株主に対し、優待制度や議決権を与えるといった形で還元されますが、ICOの場合にはそのような優待義務はありません。
また、株式の場合は「創業計画書」を作り銀行や株主に事業の説明をする義務がありますが、トークンの場合はそういったものもありません。
詐欺が多い!?
仮想通貨で資金調達をするというのは今までになかった画期的な方法で、これにより資金力がない小さなベンチャー企業やプロジェクトでも、アイディアやアピール力があれば多くの資金を世界中から集めることが容易になりました。
ただ一方で、誰でも簡単に資金調達ができるので、悪意を持った人も簡単に参入してくるようになりました。表面的に綺麗なことを言って、実態がほとんど機能していないプロジェクト、資金を集めるだけ集めて、運営が逃げてしまうプロジェクトなどもたくさん出てくるようになってしまいました。
詐欺を見抜くには、英語と人脈
どれが詐欺か、どれが詐欺でないかを見抜くには、「ホワイトペーパー」と呼ばれる、そのプロジェクトの詳細を説明している資料を読み込む必要があります。最近は日本語資料も増えてきましたが、そもそも仮想通貨の世界は英語がメインですので、きちんと調べようと思ったら英語の文献を当たるのは避けられないでしょう。
またホワイトペーパーでさえも外注をして良いことばかりを書いているといったケースもあるので、そこに書いてあることが真実かどうかの裏を取る必要があります。資料に載っている関係者は本当に関係しているのか?投資家は本当に投資しているのか?開発者は本当に開発しているのか?電話で確認したり、カンファレンスやイベントに積極的に参加して実際に会いに行ったり、人脈を辿るなどして裏付けを取ったりすることも必要になってきます。
リスクとリターン
ICOで最も大きく儲けるには、できるだけ早い段階でトークンを手に入れることが重要になってきます。一番早い段階では情報自体が流れておらず、誰も買えない・または買っていないので価格が安いです。つまり成長すればそれだけ大きな利益を出すことができます。
ただ、まだ誰も知らないので、このトークンが実際に多くの人たちに支持されるかどうかは未知数です。誰にも支持されないまま、ゴミになってしまう可能性も高いです。
多くの人たちが支持している、という実態を知ってから買おうと思うと、すでに多くの人に知れ渡っているので価格は高いです。伸びる可能性が高くなりますが、利益も少なくなります。
どのような形で参入するのか、自分に合った投資のタイミングはどこなのか、というところを考えながら参入するのが良いでしょう。