サトシナカモト

サトシ・ナカモトとは何者?
謎の人物、「サトシ・ナカモト」
仮想通貨を語る上での最重要人物を一人挙げろ、と言われれば多くの人が「サトシ・ナカモト」と答えるでしょう。
サトシ・ナカモトはビットコインの提唱者とされる、仮想通貨の基礎を作った人です。
「人」、と表現しましたが、実際は組織かもしれませんし、そもそも日本人名ですが日本人かどうかもわかりません。個人なのか組織なのかも不明、国籍も性別も不明という全くの謎の存在なのです。
今まで何度か自らサトシ・ナカモトを名乗る人物はいましたし、「きっとこの人だろう」と言われている人もいますが、その存在は今後も明らかになることはないだろうと言われています。
それもそのはず、それを明言してしまうと本人にとっても、ビットコイン自体にとっても良くないからです。一説によると、サトシ・ナカモトは100万枚、全体の約5%のビットコインを保有しているとされ、その存在が明らかになれば本人の財産を狙う人が出てきますし、またその人の匙加減一つでビットコイン市場が崩壊してしまう恐怖を世界に伝えてしまうからです。
こんな得体のしれない人物の作ったものを信じていいのか?と思う人も多いかと思いますが、これがまたビットコインの面白いところでもあります。サトシ・ナカモトは9ページの論文を書いてネットにアップしただけで、その内容に賛同した他の技術者がビットコインを開発したという経緯でビットコインはできています。
内容自体に非常に信頼性が高かったので、発言者の信頼がゼロでも多くの人に支持されることになりました。
「誰が言ったか、ではなく、どんなことを言ったかが大事」という典型例です。
サトシ・ナカモトの考え
サトシ・ナカモトの主張は
「今までのお金の発行や流れというのは、政府や中央銀行を介して行われていたが、本来お金というのは誰かに管理されるべきものではなく、個人間で、自分の責任でやり取りすべきものである」
私たちが普段「通貨」と呼んでいるものは「法定通貨」と呼ばれ、すべて政府や銀行によって管理・コントロールされています。その仕組みに対して疑問を持ち、個人が保有できる価値は個人で管理する権利があるという、考えてみたらごく真っ当な主張をしたのです。
当初は技術者たちの間で「よくできた仕組みだ」と称賛されていたものの、一般に流通することはほぼありませんでした。仕組みは良くても、多くの人がそれに「価値があると信じてなかった」ので、「価値がなかった」のです。
100億円でピザ2枚!?
ビットコインが初めて現実的な価値を持ったのが、有名な「ピザ2枚」のエピソードです。
SNSで、あるユーザが面白半分に「僕の持ってるビットコインをピザと交換して」と投稿したところ、それに応えた別のユーザが一万ビットコインを引き換えにこのユーザにピザを買ってあげた、ということがありました。これが史上初めて、ビットコインが物に変わった瞬間とされています。
これは厳密にはただ代理オーダーをしただけなので、店でビットコイン払いができたわけではありません。ビットコインの店舗決済が可能となるのはもう少しあとの話になります。
ただ一万ビットコインという額(今の価格で約100億円)がピザ二枚という庶民的な食事に変わったというエピソードは多くの人にとって印象に残り、伝説的に語り継がれているのです。