仮想通貨の見極め方

仮想通貨の価格は、ほとんどが「憶測の結果」
仮想通貨の話を聞いていると、「どのコインが儲かる」といった、儲け話が目立ちます。
確かに多くの人は自分の保有している資産が増えたら嬉しいので、そこが気になるのは自然なことではあるとは思うのですが、一つ注意しなくてはいけないのは、今の仮想通貨の価格はかなりの割合が「憶測の結果」だということです。
将来、きっと値段が上がる、きっと便利になる、きっと多くの人に支持される… この「きっと」が、今の仮想通貨の価格に大きく影響しています。
未来のことは誰も知ることはできませんが、少なくとも自分なりにこの「きっと」を信じるだけの情報を持っていることが重要です。この根拠がないと、周りの意見に常に流されることになり、仮にそこに異なる二つの意見があった場合、判断できずに迷うことになります。
迷いは不安を生み、不安は感情的な投資に繋がり、感情的な投資は失敗するリスクを高めます。
では、どうやってその根拠を調べればいいのでしょうか?それにはまず、「それ、そもそも仮想通貨である必要があるの?」というところを疑う必要があります。
それ、そもそも仮想通貨でやる必要ある?
仮想通貨がそもそも今ここまで注目されている一番の理由は、今までになかった通貨の特徴にあります。今までの通貨、つまり政府が発行する円やドルのような法定通貨や企業が発行する電子マネーと全く性質的に違うところ、それは「非中央集権性」です。
(非中央集権について:リップル)
逆に言えば、それを抜きに考えたらほかの特徴は既存の技術で代替可能、それこそ既存の技術を発展させた方がはるかに便利だったりします。
仮想通貨が他の類の通貨では絶対に代替できない唯一無二の特徴とはこのブロックチェーン上の非中央集権性にこそあるので、仮想通貨の本当の価値を考えたければ、ここを見極める必要があります。
注目すべきは「市場」「マイナー」「開発陣」
特に注目するポイントは3つ、「市場」「マイナー」そして「開発陣」です。
市場
市場は、まさにその通貨を使う人たちとなります。通貨というのは「信用されているから信用される」とよく言われます。禅問答のようですが、多くの人が価値を信じていること自体が、その信頼を裏付けているのです。
ですので、価値があるかどうかを見極めるには、すでに国を超えてその通貨の価値を信じている人が多いかどうか、また今は少なくても、いずれ多くの人がその通貨を使わざるを得ない特別な理由があるかどうかというところを確認すると良いでしょう。
マイナー
マイナー、ここではネットワークを維持する人たちという意味で使っていますが、この人たちがいなければネットワーク自体が成り立ちません。多くの通貨は価値の移動が正確に行われた、ということを証明するための仕組みを持っていて、それをサポートすることでなにかしらの報酬が発生します。この仕組みにはいろんなタイプがありますが、どのような形にしろ、マイナーのモチベーションが長期的に保たれる仕組みがあるかどうか、というところを調べましょう。
また、ネットワークの維持に不可欠なのは「分散」です。いくらマイナーが多くても、それをたとえば全部一つの企業が管理しているような状態ならば何の意味もありません。その企業が不祥事を起こせば、ネットワークはその時点で機能しなくなり、通貨の信頼が一気に揺らぐからです。分散しているかどうか、というところも重要なポイントです。
開発陣
そして開発者、彼らは通貨をアップデートするために不可欠な存在です。現状の仮想通貨はどれもまだ実験段階のようなもので、まだまだ使い勝手が良くて安心して使える・価値が信頼できるといったものは少ないです。そこで日々技術を刷新しアップデートをする必要があります。アップデートがあることで、その通貨は時間と共にさらに便利になり、時代を超えても価値を保ち続けることができるのです。
通貨の価値を調べるなら、この開発者達がたくさんいて、活発な議論をしているかどうか、きちんと外に向けて定期的に情報を公開しているかどうか、どこか特定の国や団体に権力が偏ってないか、といったところを重点的に見てみると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
貴方が持っているコイン、今一度これらの視点で確認してみると、また新たな気づきがあるかもしれません。